レベル2 ★★★

世の中には、投資家達の成功物語が溢れています。しかし、失敗談、それも著名な投資家のものとなるとほとんど知られていません。

金融界の人は、そして著名な投資家ならなおさら、負けず嫌いで自分の弱みを見せることを嫌います。金融業界で働いていても、誰が手ひどい失敗をしたかは知ることはあっても、どのようなミスで失敗に至ったかはほとんど知る機会はありません。

本書には11人の著名投資家による手ひどい失敗談が掲載されています。そして、各エピソードの後には個人投資家向けの教訓までまとめられています。失敗の理由は、友人を信頼しすぎた、対象業界について分かっているつもりだった、投資スタイルが変わっても成功できると思った等の、誰しも陥りがちな罠で、著名投資家であっても人の子であると良く分かります。

10~30年と長きに渡って成功した人間でも、こうした失敗から無縁ではないということは、私達も含め、いかに投資には慎重に向き合わなければいけないのか、身にしみて良く分かります。後講釈で色々とあげつらうことは簡単ですが、そうしたことをしてもこれからの投資には役立たず、まずは謙虚にならなければというのが正しい反応だと思います。

もう少し、それぞれの投資家達の歩みと、人となりを含めて失敗を引き起こす行動に至った過程に、迫って欲しいところもありますが、このような失敗談の情報が公開されること自体が貴重であり、是非、個人投資家の方に読んでもらいたい好著です。