レベル3 ★★★★

世の中には、バフェットと銘打たれた投資本が星の数ほど出ています。私もかなりの数のバフェット本を読んできましたが、本書はその中でも最良の物の1つと言えます。

多くのバフェット本は、彼の投資行動を追っていて、その背景にある考え方を解き明かそうとはしませんが、本書ではバフェットの哲学はもちろん、バフェットがどのような経緯で投資スタイルを培ってきたかについて詳細に解説されています。

バフェットだけでなく、彼の盟友チャーリー・マンガーや、バフェットの投資の師匠とも言えるベンジャミン・グレアムとフィリップ・フィッシャー、そしてバフェットの考えを彼自身はあまり積極的に行わなかった海外投資やハイテク株投資に応用した投資家まで、数多くのバリュー投資家の投資スタイルも紹介されています。

なぜ、悲観的な見方が支配的であった2011年8月の投資環境でバフェットは、50億ドルもの大金をバンカメに投資をしたのか。この本を読むと、彼の50年に渡り一貫して実践してきた投資スタイルが理解でき、今回の投資もその1つの実践にすぎないと分かります。

残念ながら、日本の書籍や新聞、雑誌は直近数ヶ月の動向にばかり注目していて、長く実践に足る投資スタイルを紹介した、骨太なコンテンツはほとんどありません。そうした不満を感じている人達に読んでほしい秀作です。