★★★

なかなかセンセーショナルなタイトルですが、フェイスブックの創業以来の成長の軌跡が、よくある成功物語としてではなく、日常的なエピソードを中心とした等身大の姿として描かれています。

著者は、フェイスブックに51番目の社員として入社しましたが、プログラミングのスキルがない文学部出身で、大学もハーバードやスタンフォードといった超名門ではなく、しかも女性であるという、フェイスブックの中では完全にマイノリティな存在でした。そして、本書はそうしたマイノリティとしての立ち位置ならではといえる、社員の奇行などのフェイスブックにまつわる負のエピソードが数多く描かれています。

フェイスブックの成功はあまりに巨大であるために、これまでのフェイスブックについての著作は、なぜフェイスブックが成功できたのか、創業者マーク・ザッカーバーグはどのようなビジョンを持っているのかといったプラスの面ばかりに焦点があたったものがほとんどでした。本書は対照的に、マーク・ザッカーバーグの偏った思考スタイルや、フェイスブックをハッキングしたハッカーを好待遇で雇うなど、一般企業とはかけ離れたフェイスブックの社風が、マイナス面を含めて描写されています。

著者は、フェイスブックを退社しますが、退社前の最後の役割は、ザッカーバーグのメール代筆者でした。フェイスブックの社内を、マイノリティの立場から少し突き放して見ていた著者だからこそ、逆に客観的に創業者のスタイルを模倣できたのかもしれません。これまでフェイスブックの光の部分の著作を色々と読んできた方に、バランスの取れた視野を提供する意味でオススメの著作です。