★★★★

2013年下旬に華々しく上場し、サービスの利用はもちろん投資対象としても世界中から注目を集めるツイッター社の創業経緯と、その後の権力闘争を克明にまとめた優れたノンフィクションです。

一般的にツイッターの創業者として知られるのはジャック・ドーシーですが、本書にはそれ以外の3名の創業者エヴァン・ウィリアムズ、ビズ・ストーン、ノア・グラスにも焦点があたっています。米国の経済ノンフィクションには、とてつもない労力をかけて膨大な取材を行ったうえで、さらにその内容を分かりやすくまとめた良書が年間数冊出てきますが、本書もその1つです。

とても内気な青年だったのにわずか数年でジョブズの後継者とも目されるカリスマ経営者と脱皮したジャック、ツイッターのアイディアを最初に思いついたにも拘わらず会社を追い出され株式もほとんどもらえなかったノア、ジャックの投資家も巻き込んだ血みどろの権力闘争を行ったエヴァン、そして独特の価値観を持つビズと、創業者4名ともが特異な個性を持つ人物だけに興味深いエピソードが次々に出てきます。

本書を読んで感じるのはツイッターが真のベンチャー的存在であることです。グーグルやフェイスブックが高学歴の創業者により始まり、社員もエリートぞろいであるのに対して、ツイッターの創業者や従業員はこうした企業では相手にされないような人物ばかりです。

そうした人物たちだからこそ、本書にあるようなカラフルな物語がつむぎだされたのでしょうし、そもそもツイッターというカテゴリ分けが難しい、でも圧倒的な人気を誇るサービスが生み出されたと感じました。本書は米国でも大きな話題を呼び、テレビドラマ化もされるようです。起業に少しでも関心のある人はぜひ読んでください。起業の魅力と恐ろしさ両面が心行くまで味わえます。