レベル3 ★★★

ファミリーオフィスという富裕層向けのビジネスを営んでいますが、本書のような金持ち本を読むことはほとんどありません。ほとんどの金持ち本の著者よりも富裕層と接していると自負しているからですが、本書は大手監査法人PWCがビリオネア(10億ドル以上の個人資産を保有)100人以上にインタビュー・アンケートをして作成した書籍なので手に取りました。

米国の経済誌フォーブスの調査によると2016年初頭のタイミングで、世界には1,800人以上のビリオネアが居ます。本書では、その中から富を築いた手段が公明正大で、かつ相続ではなく自力で資産を築いた人物を120人選び出して、取材をしています。

世間のビリオネアのイメージを壊す事実が色々と紹介されていて、興味深い内容に仕上がっています。ビリオネアというとITで一発あてた若者というイメージが強いでしょう。しかし、ほとんどのビリオネアは30代以降に成功のきっかけをつかみ、幾度か事業に失敗した後に成功しています。また、ビリオネアも一般の人も将来予測の能力はほぼ同じで、では何が成功の要因であるのかといった分析も面白く読みました。日本人ではユニクロの柳井氏が取り上げられています。

ビリオネアとのインタビューでは1度も電話や部下によるメモの回覧などの邪魔が入らなかったことから、自分の時間の使い方を完全にコントロールして集中できるようにしていることなど、実際にビリオネアを取材したからこそ得られるエピソードもふんだんに盛り込まれています。一方、いくつかの分析結果は後付けの色が濃く、最終章のあなたの会社にも居るビリオネアマインドを持った人物の育て方も少し無理があると感じました。

グローバル資本主義時代の究極のエリートと言えるビリオネアに関心がある人には一読の価値がある書籍です。