レベル3 ★★★

貨幣についての世界史という大仰な邦題がついていますが、内容はそれに恥じない大作です。著者は投資銀行マンですが、リーマンショックによりお金の本質を知りたいという欲求にかられ、太古の歴史からお金と人類はどのように向き合ってきたのかについて調べ始めます。

投資銀行という激務の中よくぞこれだけ多彩な文献にあたり、必要であれば世界中の現場を訪れたと感動するほど、本書には紀元前の人類の歴史におけるお金のはたしてきた役割について、網羅的にまとめられています。人類の歴史だけでなく、貨幣というモノの本質は生物間の交換であるから、何十億年にわたる生命の発達についての記述まであります。

人類の歴史以外の記述は少しやり過ぎの感もありますが、著者のお金の本質に迫りたいという知的欲求がいかにすさまじいのかの表れでしょう。マイナス金利や異次元の金融緩和など、最近は人類が経験してこなかった未曾有の減少がお金の世界で起きていますが、その本質について深く理解するには、本書にまとめられているようなお金の歴史を知っておくことが不可欠でしょう。

一般的な経済書では決して学べない超長期的なお金の歩みが理解できる良書です。