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日本でも浸透しきった感のあるビッグデータというフレーズですが、本書はハーバード大学の数学科を卒業して米国で大手出会い系サイトを創業した人物という、まさにビッグデータの専門家による作品です。データ分析により社会の様々な側面がどこまで定量的に把握できるようになったのかについて、具体例を多く交えながら解説されています。

出会い系サイトの創業者で、数千万人の会員の個人情報に基づいて、太古の昔から人間が関心を持っていた「ルックスがどれほど恋愛的な魅力につながるか」、「人種により異性への印象はどれほど変わるか」、「同性愛者など性的マイノリティはどれほど存在するか」など、恋愛にまつわる様々なトピックについて、結果がすばりまとめられています。

著者はデータ分析の専門家なので、後半では恋愛に関するトピックだけでなく、政治的な意見や知能レベル、反社会的な行動をとるリスクなど人間の振る舞いの様々な側面について、ビッグデータ時代ではデータ分析だけで、かなり事実に肉薄できることについても解説されています。

SNSがあまねく世界に浸透し、オンラインでのコミュニケーションがますます活発化する中、積極的に情報発信をしていなくても、ただWebやSNSを閲覧しているだけで、個人の様々な特性が高確度で推測できることは十分に認識していたつもりですが、本書の分析の多くはその認識を上回り怖さも覚えます。

情報のシェアが進む中で、もちろん良い面だけでなく悪い面もありながらも、こうしたトレンドを追い風に自分のプレゼンスをどんどん上げて行ける人とそうでない人との格差も、どんどん進んでいくだろうなという感想も持ちました。