レベル3 ★★★

タイトルを見ると近年の人工知能ブームにあやかった本のように見えますが、本書の出版は4年前で時代を先取りしていたことが分かります。本書が興味深いのは、アルゴリズムがどのように世界を変えているのかテクノロジーの観点から分析しているだけでなく、その担い手であるエンジニアの動向にも焦点をあてていることです。

本書の前半はアルゴリズムによる自動化がいち早く取り入れられた金融業界にフォーカスしています。金融業界では40年以上前からコンピュータによる取引の自動化が行われていて、そこからテクノロジーの発展とともにどのようにアルゴリズムの活用が拡大してきたのか、金融業界の記述だけでも普通の本1冊に匹敵するほど詳細に紹介がされています。

しかし、リーマンショックによって、コンピュータサイエンスのエンジニアがウォール街を敬遠するようになって、グーグルやフェイスブックに代表されるシリコンバレーのテック企業を目指すようになり、これらの業界でどのようにアルゴリズムが活用され高度な分析が行われているかに話が進みます。

本書が出版されて4年が経過したことで、音声や画像の認識、さらには自然言語処理など高度なアルゴリズムはますます生活の中に浸透してきています。本書の内容と現状との差分を把握することで、今後のアルゴリズムの発展の方向性について、色々な手掛かりを与えてくれます。