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原著が出版されたのは2006年で、邦訳が出されたのも2007年とかなり前の本ですが、知人から薦められて最近読んでみましたが、十分今でも参考となる内容でした。経済のグローバル化が進み、さらにeコマースの普及により船で運ばれる貨物量は増加の一途をたどっていますが、それを可能にした存在としてコンテナに焦点をあてています。

本書にもコンテナを主題とした初めての書籍であるという表現がでてきますが、当たり前の存在過ぎてさらにローテクであるために、普段全く注目されないコンテナという存在が、実はグローバル経済に大きく貢献した革新的な発明であったことがよく分かります。

コンテナが登場する以前は、多種多様な品物を船で運ぶ際に、港で働く肉体労働者が手作業で荷物を仕分けしていました。港湾労働者は世界中で既得権益の塊で、独自の組合により仕事が配分されていた為に生産性が低く、さらに盗難や賄賂といった犯罪も横行していました。

それがコンテナ登場により格段に効率化されたプロセスが、港湾労働者や海運会社、港湾管理会社、さらには荷物を運びたいクライアントなど様々な視点から描かれています。ともすれば今のAIに代表されるように目新しいテクノロジーばかりに世の中の注目が集まりがちですが、コンテナという極めてローテクで地味なプロダクトの背景にも、これをうまく活用すれば多大な経済的なメリットが得られると努力した傑物たちが居たというエピソードはとても刺激的でした。

コンテナの処理能力で見ると、世界の上位10港は全て日本以外のアジアの都市の港が占めています。私が普段活動している東アジアの経済の繁栄に欠かせないコンテナというプロダクトに対する思い入れが本書を読んで強くなりました。