Like a Virgin

★★★

レコード店の経営から始まり、総合小売店や航空会社、最近では銀行や宇宙旅行まで、業種の壁を越えて成長するヴァージン・グループの創業者リチャード・ブランソンの人生哲学が、短いコラムの連続で歯切れよく展開されています。

著者の名はその破天荒な行動で広く世界に知られていますが、英国以外の人はあまりヴァージン・グループについてよく知らないのではないでしょうか。私自身、個人的に関心がある宇宙旅行の企画会社をブランソンが創業したことで関心を持つようになりましたが、ヴァージンの多岐にわたるサービスを利用したことはありません。

その理由は、ブランソンが市場を支配するような立場を目指さず、主要業者が模倣することが難しい、ニッチなニーズをとらえた機動的なサービス展開を、どの業種でも心がけているからでしょう。ブランソンはこれまで成功したもの、失敗したものを含めて何十という業種で様々なビジネスを仕掛けていますが、常にその動機は自分が手がけたいもの、ビジネスをしていて楽しいものだけに絞っています。

起業家の多くは1つの会社を成功させると、豊富な経営体力を元に類似した業種のみに事業を拡大していく人や、もしくは自分が起業した会社をエグジットさせて得た資金を元にエンジェル投資家に転身する人がほとんどですが、ブランソンは常に自分が関心を持った分野で勝負を仕掛ける起業家であり続けています。

彼の人生の指針が一つにつき3~4ページで分かりやすく、豊富な事例と共に紹介されていますから、忙しい起業家やビジネスマンが少しずつ読むのに適しています。少し心が疲れた時に読むと、ブランソンの底なしのエネルギーと明るさが背中を押してくれるでしょう。

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GILT

★★★

ギルトグループは、バレンティノ、ダイアンフォンファステンバーグなど有名ブランドのオンラインセールを手がける米国の企業で、立ち上げて3年半で企業価値が10億ドル、会員数は500万人以上に拡大しました。日本には2009年に進出し、山本モナさんを使ったプロモーションを展開し、私もその当時に会員になった1人です。

ハーバード大学と同じくMBAで同級生だったアレクシスとアレクサンドラが営業と経営を担当し、エンジニアのマイクとフォンがサイト作成/運営し、複数のスタートアップを成功に導いた経験をもつケビンが統括をし、5人の共同経営者が非常にバランスがとれていてうまくチームとして機能をしているところが素晴らしいと思いました。ギルトグループの成功例は、ハーバード大のケーススタディにも使われているようです。

ファッションに携わる仕事がしたいという夢からオンラインセールというアイデアを考え、そのアイデアから4ヵ月でサービスを開始するというスピード感に読んでいて興奮しました。3年半でどう企業を大きくしていくか、その様子が失敗も包み隠さず生き生きと描かれてます。好きを仕事にすれば頑張れること、最高の仲間と努力し続ければ成功ができることというメッセージを著者たちが体現しているので納得感がありました。

米国のエンジェル投資家は、初期段階の投資では、創業チームの人物像やチーム内の人間関係を見て投資を判断することが多いこと、口コミで会員数を増やしていくバイラルマーケティングのしかたなど、彼女たちのユニークな手法が参考になります。アレクシスは2児の母、アレクサンドラは1児の母で、今後子供を育てながらどう会社を大きくしていくのか楽しみです。

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不格好経営

★★★★

DeNAを創業し、わずか10年強で日本を代表するIT企業に育て上げた南波さんの初めての著作です。著者は、私にとってマッキンゼーのコンサルタント、起業家としての大先輩ですが、接点は講演会で何度か話を聞いただけに留まります。

本書を読んで、彼女がDeNAの成長とともに雰囲気も含めて大きく変わったと感じたのは、接点の少なさからくる勘違いかもしれません。話を聞いた時には、とても明るく闊達な方で、ぐいぐいと周囲を引っ張るエネルギーに満ちた人だと感じました。

それが、本書のほとんどが周囲の人へのてらいのない感謝の言葉からなるのを読んで、周囲の力を全て引き出しながら重要な局面のみきちんとジャッジメントをする懐の深い経営者であると感じました。

女性のIT起業家であるだけでも日本では非常に珍しいですが、創業した会社を東証一部上場に導き、グローバル展開も積極的に行っており、会社の勢いが最高潮の時に、配偶者の病気により社長を退任するという彼女の物語は稀有のモノです。

でも、そのカラフルなドラマが彼女の素朴な文章で、すっと心に入ってきました。私にとって本書は起業してから読んだ経営者による本の中で、屈指の影響があるモノとなりました。起業家としてはまだ足元にも及びませんが、彼女のような姿勢を徐々にでも身につけていきたいと思います。

女性の社会進出が声高に日本でも叫ばれていますが、南波さんのような自然体で起業やビジネスで成功されることがでてくることが、社会がジェンダーフリーの点で成熟していく一番近道であるとも感じました。

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冒険投資家ジム・ロジャーズのストリート・スマート

レベル4 ★★★

シンガポールへ移住した一番の有名人であるジム・ロジャーズの最新作です。彼が娘を、乳母車に載せて学校まで毎朝送っていく姿は大々的に世界に報じられましたが、このシーンはシンガポールの治安の良さを示す格好の広告塔となりました。

ジム・ロジャーズは、バイクと自動車による2度の世界旅行から、21世紀はアジアの時代だと考え、子供の教育環境としても優れているシンガポールに移住をしました。2001年にシンガポールを訪れて、国民が流暢な英語や、中国語の標準語である北京語(マンダリン)を話していること、高い医療が受けられることを魅力に感じたことも、シンガポールを選んだ要因です。

彼の娘、ハッピーちゃんが通っているのは、南洋(ナンヤン)小学校で、小学校1年生から毎日2時間もの宿題が課されるシンガポール屈指の名門現地校です。ジム・ロジャーズは、この小学校に娘を通わせるために、学校の近所に住み、ボランティアに参加し、資金集めのお手伝いをしたそうです。ただ、思ったよりもシンガポールのパートが少なくて、ジム・ロジャーズのシンガポールでの生活についてもっと知りたかったので、その点が残念でした。

また、移住以外の部分の経済分析のパートは、あまりに中国を過大評価している点であまり参考になりません。ロジャーズの母国である米国が徹底的にこきおろされているのも、不公平に感じました。まぁ、誰しも母国のあらが最も目について、憤りを感じるのかもしれませんが。

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フェイスブック -子供じみた王国

★★★

なかなかセンセーショナルなタイトルですが、フェイスブックの創業以来の成長の軌跡が、よくある成功物語としてではなく、日常的なエピソードを中心とした等身大の姿として描かれています。

著者は、フェイスブックに51番目の社員として入社しましたが、プログラミングのスキルがない文学部出身で、大学もハーバードやスタンフォードといった超名門ではなく、しかも女性であるという、フェイスブックの中では完全にマイノリティな存在でした。そして、本書はそうしたマイノリティとしての立ち位置ならではといえる、社員の奇行などのフェイスブックにまつわる負のエピソードが数多く描かれています。

フェイスブックの成功はあまりに巨大であるために、これまでのフェイスブックについての著作は、なぜフェイスブックが成功できたのか、創業者マーク・ザッカーバーグはどのようなビジョンを持っているのかといったプラスの面ばかりに焦点があたったものがほとんどでした。本書は対照的に、マーク・ザッカーバーグの偏った思考スタイルや、フェイスブックをハッキングしたハッカーを好待遇で雇うなど、一般企業とはかけ離れたフェイスブックの社風が、マイナス面を含めて描写されています。

著者は、フェイスブックを退社しますが、退社前の最後の役割は、ザッカーバーグのメール代筆者でした。フェイスブックの社内を、マイノリティの立場から少し突き放して見ていた著者だからこそ、逆に客観的に創業者のスタイルを模倣できたのかもしれません。これまでフェイスブックの光の部分の著作を色々と読んできた方に、バランスの取れた視野を提供する意味でオススメの著作です。

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Yコンビネーター

★★★★

ベンチャー企業に資金を提供するベンチャー・キャピタルという存在は日本でもメジャーになってきていますが、本書はさらに初期段階にある企業に資金提供をするアクセラレーターに焦点をあてたノンフィクションです。

米国には数多くのアクセラレーターが出てきていますが、その中でも最も成功しているファームが本書の取材対象であるYコンビネーター(YC)です。YCは、企業価値が約50億ドル(約5,100億円)とされるドロップボックスや、同じく約25億ドル(約2,600億円)とされるAirbnbがまだ創業者のみだったタイミングで、投資を行っていたことで注目を集めています。

本書の著者は社内のあらゆるところへのアクセスを許可されたことで、世界で初めてYCが起業家をどのように評価し成長させていくのか、その全貌が明らかになりました。YCは年2回(夏・冬)の3ヵ月間、数十社の企業をシリコンバレーに集めて、YCの創業者ポール・グレアムをはじめ、ほとんどが起業家として成功した経験を持つパートナー陣により、濃密な指導を行うという形態をとっています。3ヵ月の最終日はデモ・デーと言われる全社一斉プレゼンで、そこに集まった数百の著名投資家達に自社の魅力を訴え、資金提供の交渉を行うことでプログラムは終了します。後は、各企業が獲得した資金により、それぞれの本拠地に戻って事業運営をするという、YCは起業家たちのための合宿のような存在です。

DropboxやAirbnbの成功でYCは広く知られるようになり、今や各学期に数千の企業が応募し、その中でわずか数パーセントのみが参加を認められます。各社は150~200万円の少額をYCから提供され、株式の6~7%をYCの持ち分とするところからスタートします。ただ、最近ではYCのプログラムに選ばれたと言うだけで、一定の評価を得たと見なされ、著名なベンチャーキャピタルから数千万円の資金提供を受けられるようです。

もちろん、これだけの資金が提供されるからといって必ず成功できるわけではなく、3ヵ月にわたって起業家たちが厳しいアドバイスを受けながら必死に努力する姿が克明に描かれています。シリコンバレーのように、プログラミングと経営それぞれに秀でた起業家チームに、助言を与えるアドバイザー、そして投資家が一定以上の密度で集積していることが、ベンチャー企業が次々と爆発的に成長していくために不可欠であることがよく分かります。起業を考える全世界の若者にとって必読の好著です。

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2050年の世界

レベル3 ★★★

英国の老舗経済誌「エコノミスト」が、2050年の世界について予測した本書は、日本を含む世界中で話題となりました。

エコノミストは、1962年に「恐るべき日本」と題して、まだ経済的に小国であった日本が、数十年後に米国に次ぐ世界第2位の経済大国になることを予測していたなど、過去数多くの大胆な予測を的中させているから、40年先を予測した本書も大きな関心を集めました。

本書で描かれる日本の未来は暗いモノです。本書は、政治や社会、経済、科学などさまざまな分野での40年後の世界を予測していますが、どの分野についても日本は悪い(それも往々にして最悪の)例として引き合いに出されています。

日本での本書はあまり評判がよくありませんが、その大きな理由として日本についての予測があまりに悲観的過ぎると感じた読者が多かったことにあるのではないでしょうか。私も、普段は称賛されることの多い日本の自然科学研究が、日本のノーベル賞受賞者数が人口で7分の1以下のオーストラリアと変わらないという数字を用いて、東アジア社会における強い上下関係が自然科学の研究に悪い影響があることの証拠だと言及されている部分などは、あまりに乱暴だと感じました。

ただ、世界の中枢にいる財界人、政治家などが読む「エコノミスト」誌の見解は、欧米エリート達のコンセンサスとも言えます。グローバル・エリート達に、日本がどのような見られ方をしているのかを知っていることは、どのような仕事をしている人にとっても有用でしょう。

そして、明らかに欧米バイアスがある本書において、経済を中心としてどの分野でも新興国の躍進が続くと予測されていることも印象的でした。資産運用においてはともすれば忘れがちになる、でもとても大切な超長期の世界動向について考える時には読んでおきたい本です。

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起業家

★★★

サイバー・エージェントの藤田社長が起業してから現在までの歩みが時系列でまとまっています。

本書を読み終えてまず感じたことは、2000年に上場してから事業エリアを拡大しながら、一貫して業績を伸ばしてきたことの凄さです。サイバーエージェントが東証マザーズに上場した当時は、ITバブルに世の中はわいており、藤田社長は史上最年少上場記録(当時)として話題となっていました。

しかし、2001年にはITバブルがはじけ、2006年にはライブドア・ショックが起こるなど、日本のIT系のスタートアップには逆風が吹き続けました。2000年や2005年当時に話題となった会社のほとんどが姿を消したり、業績を大きく落としたりする中、サイバー・エージェントは初期のネット広告代理店ビジネスから、ブログサービス、ソーシャルゲームと業容を拡大しながら売上を大きく伸ばし、営業利益率も改善させてきています。

藤田社長自身はあまりこうした実績を声高にメディアなどで披露することがないため、私も本書を読むまでサイバーエージェントの成長について知りませんでしたが、10年以上にわたる売上・営業利益の数字だけを見ても、同社がいかにきちんとした事業運営を行い伸びてきたのか良くわかります。

これまで、グーグルやフェイスブックなど海外のスタートアップについてのノンフィクションは数多く読んできましたが、日本の起業家の著作は初めてでした。もちろん、サイバーエージェントと弊社の規模や成長の速度は全く違いますが、同じ日本人の起業家としてよりリアルな参考となりました。今後は、国内の起業家の書籍も読んでいきたいと思います。

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ワークシフト

★★★

英タイムズ紙の選ぶ「世界のトップビジネス思想家15人」のひとりであり、ロンドン・ビジネススクール教授である著者が、今後、世界に起こる変化や働き方の未来図について解説をしています。テクノロジーの発展、グローバル化、人口構成の変化と長寿化、個人、家族、社会の変化、エネルギーと環境問題の5つの要因により、今後、自分の働き方がどう変わっていくか、またどう変えていかなければいけないのか?議論をしていきます。

東洋経済から出版された「10年後に食える仕事食えない仕事」がベストセラーになるなど、日本でも今後生き残る職業やスキルついては、話題になっています。しかし、仕事のかかわり合い方、仕事や家族との付き合いの仕方など、人の生き方が今後どう変化していくかまで包括的に書かれた本は見当たりません。

会社というブランドで給与を得るのではなく、グローバルに通用するスキルを持ち、個人のブランディングを高めることで給与を上げていくような時代に移行していくと著者は言います。そういったスキルを身につける努力をするだけでなく、リンクドインやFBといったSNSサービスを使って自分をアピールをしていく必要があります。

また、働き方だけでなく、今後、仕事、家族/友人とどう関わっていくかについても述べられています。昔と違って、ワークタイムバランスを重視する人が増える中、報酬、仕事のやりがい、仕事をする場所など、多様化したリクエストを満たすことができるような環境になっていくだろうと筆者は述べています。この本を読んで、豊かな未来を切り開くために、自分はどのような生活をしていきたいのか?そのためには、何を重要視し、何を諦めないといけないのか、考えていくことが必要だと思いました。

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続マーケットの魔術師

レベル3 ★★★★

驚異的な成功をおさめている投資家へのインタビューに基づいた大人気シリーズの第4作です。

私は、世界的なベストセラーとなった第1作「マーケットの魔術師」と本作のみ読んでいますが、本作の方が第1作より面白く感じました。第1作では、テクニカル手法を用いたトレーダーが中心だったのですが、本作では非常に多様な戦略をとる投資家が登場し、読者が自分に合った投資手法を考える上でより参考となることが要因としてあげられます。

世界最大のヘッジファンド「ブリッジ・ウォーター」を運営するレイモンド・ダリオや、資産約300億ドルの巨大ヘッジファンド「ブルークレスト・キャピタル・マネジメント」を運営するマイケル・プラットから、マーケット業界関係者以外はほとんど知らない無名の投資家まで、運用している金額が全く異なる15名が紹介されています。

本作が秀逸である最大の理由は、著者が投資に非常に造詣が深く、鋭い質問を繰り出すことで、普段はほとんど余人が知ることのできないヘッジファンド・マネージャーの投資戦略や投資についての考え方が、具体的に描かれていることです。

ヘッジファンドの投資戦略はオプションなどの金融派生商品を駆使するため、難解な用語が出てきますが、全ての用語は分からなくとも成功している投資家達の考え方を知るだけでも、個人投資家には参考となるでしょう。

本作を読んで感じることは、投資において自分の強みを活かした投資戦略をとることの大切さです。世界中のどんな投資家でも全ての戦略で成功を収めることはできません。自分の強みが活かせ、かつエッジの効いた戦略を見つけることが、投資家としての成功の第一歩であることが、本作で紹介されている全ての投資家のエピソードからよく分かります。

また、これまでほとんど紹介されていない最先端の投資手法について知ることは、金融の専門家にとっても非常に参考となります。初心者からプロ中のプロまで大きな学びがある、投資に関する年間でも数冊の良書です。

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繁栄

★★★

英国人の生物学者にして、科学啓蒙書の書き手として有名な著者による、人類がこの1万年どのように発展してきたのか、その原動力を解説した大著です。

著者の解説は非常に明快で、人類の発展が、分業とアイディアの交換という個人レベルからのボトムアップの流れにより生みだされてきたということが、この1万年の世界中の様々な場所、様々な時代の豊富な事例から裏付けられています。生物学・文化人類学・環境学・経済学など、分野を横断した著者の該博な知識には圧倒されます。

ボトムアップの予測できない流れにより人類が発展したという著者のスタンスから、政府や大企業による大仰なプロジェクトなどトップダウンの動きは、人類の発展にほとんど貢献しなかったという事例もこれでもかと提示されます。

そして、人類は常に予測できないボトムアップの動きから、乗り越えられないと思われた様々な課題を乗り越えてきて、ここまでの発展をとげてきたので、将来についても過度な悲観は禁物であるというのが著者の結論です。地球温暖化や環境汚染の影響を、識者とされる人々は声高に叫び、経済発展のペースを落とさなければならないという意見がはびこっている現状を憂い、将来について合理的な楽観主義であるべきという主張には同意できます。

この合理的な楽観主義、つまり人類の長期的な成長への楽観は、資産運用においても大切な姿勢です。どのような時代にも、したり顔で否定的な意見を叫ぶ輩は居ましたが、そうした意見はことごとく外れ、ボトムアップのイノベーションにより課題は解決されてきたのです。投資を、次の成長を呼び込むイノベーションを応援するものと捉え、長期間で成果を待つ投資家にとって、本書は大きな心の支えとなるでしょう。

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採用基準

★★★

コンサルティングファーム、マッキンゼーアンドカンパニーで17年間勤務をし、そのうちの大半をコンサルタントの採用業務を担当されていた方が書いた本です。マッキンゼーでは、高学歴の学生の中からとびきり優秀な頭脳をもった学生だけを採用しているというイメージを持っていたので、どのような採用基準で選考しているか興味があり読んでみました。

マッキンゼーが求めている人材は、将来グローバルリーダーとして活躍できる人であり、今の日本社会が必要としている人材とまったく同じであると著者は主張しています。日本人には、リーダーシップが欠けているといわれますが、その問題点として、組織的にリーダーを育成するシステムが足りないことや真のリーダーシップはどういうものが理解していないことを指摘しています。

マッキンゼーでは、リーダーシップがあること、地頭がいいこと、英語ができることを採用基準としていますが、日本人はリーダーシップと英語の点で、かなり下回っているようです。最近では、中国をはじめとする海外からの留学生の中で、これらの条件に加え日本語ができる優秀な人材が増えており、日本人の優秀な学生よりもその数が多くなっているようで、筆者は危機感をもっています。私もこれには同感で、本人の努力も必要ですが、リーダーシップ、英語ができる日本人を大学や企業がもっと育てていく必要があると思いました。自分のキャリアパスについて悩んでいる若者にぜひ読んでもらいたい本です。

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