レベル3 ★★
バークシャー・ハサウェイを経営するようになってちょうど50年が経ったため、再び脚光があたっている人類史上最高の投資家ウォーレン・バフェットですが、これまで日本語でも彼についての多くの書籍が出版されています。
しかし、本書はバフェット本人ではなく、バフェットが投資をしている企業の経営者という、バフェットを支える人物たちに焦点を当てているがユニークです。バフェットは最も気に入った企業は100%株式を保有して、自身が経営するバークシャー・ハサウェイの傘下におさめます。
傾いた繊維会社だったバークシャー・ハサウェイですが、バフェットが経営するようになってから50年で、世界でも有数の巨大コングロマリットにまで成長しています。本書では、バークシャー・ハサウェイ傘下の経営者それぞれの生い立ちから、経営者として成長する軌跡、そしてバフェットの出会いと現在までの協業についてまとめられています。
バフェットのファンであった香港の投資家である著者が、米国に何度も足を運びながらまとめられた内容からも、バフェットの投資家としての価値観がよく伝わってきます。企業経営で長期に成長するには、飛び道具は必要なく当たり前のことをいかに徹底できるのか、「凡事徹底」が最も重要であることがよく分かります。
ただ、各人のインタビュー内容が定型的であるため、その人となりにまでは踏み込めておらず、さらにバフェットとの個人的エピソードもあまりなかった点については残念に感じました。