ITビジネスの原理

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マッキンゼーやリクルート、グーグルなど10回の転職を経て、現在は楽天の取締役をつとめている著者によるIT業界のビジネスモデルについての入門書です。

多くの事業会社やコンサルティング会社での実務経験から、現在IT業界で成功している企業のビジネスモデルについて、各社どこに特色と強みがあり、どのように稼いでいるのかがわかりやすくまとめられています。そして、なぜ大成功を収めているグーグルから、規模がはるかに小さく事業エリアも大きく異なる楽天に転職することになったのかという経緯を通じて、日本のIT企業が持っているポテンシャルについても解説されています。

日本社会が持っているハイコンテクストという特性から、これまでローコンテクストの国である米国が発祥で、英語というデフォルト言語による情報発信が中心だったところに、日本のIT企業が異なった発展の方向性を打ち出せるという視点は興味深く感じました。ただ、マッキンゼーの同僚で他にも楽天に転職した知り合いがおり、彼はこの本の著者と逆に楽天からグーグルに転職したのですが、本書にあるハイコンテクストなサービスの担い手として、楽天がふさわしいのかという点にはこの知り合いの話を聞く中で疑問を持っています。この点については、この見方を覆すような展開を将来の楽天が成し遂げることに期待しています。

また、原理という言葉がタイトルにありながら、フェイスブックの広告単価が低くならざるを得ないという記述や、未来のIT機器の代表例として先日開発の中止が発表されたグーグルグラスが取り上げているなど、出版から1年が経過した現在、疑問を感じるような部分があったのは残念でした。もちろん、非常に変遷が早いIT業界のことなので仕方がない部分もあるでしょうが、IT業界のビジネスモデルのより普遍的な部分についての説明を増やしたほうが、タイトルのイメージに合致すると感じました。

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