孫正義の参謀: ソフトバンク社長室長3000日

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ソフトバンクの社長室長として8年以上孫正義氏を支えた著者が、入社したときには通信キャリアですらなかったソフトバンクが、どのように世界3位のキャリアにまで成長したのか、その軌跡を明かしています。

元衆議院議員からIT企業の社長室長という異例の転職をした著者ならではといえる、ソフトバンクの光の道構想や、再生可能エネルギーへの取り組み、米国第三位のキャリアであるスプリントの買収において、ソフトバンクがどのように政界への働きかけをしたのかを軸に話が展開します。

著者が民主党出身であるため、特に民主党政権時代に通信や電力といった国による規制が強い産業において、政界に巧みに働きかけたことがソフトバンクの成長の一助となったことがよく分かります。また、日本企業における米国企業の買収としては過去最高金額となったスプリントの買収時には、著者の人脈をフルに活かして上下院のキーパーソンやパウエル元国務長官など米政界の重鎮にアプローチし、支援を呼びかけ最終的にディール成功に結びつけたことが克明に描かれています。

ただ、同時に著者が元政治家であるため、ソフトバンクの成長の軌跡が主に政治面でのアプローチによる説明に偏り、ソフトバンクの創業者である孫正義氏をはじめ、ビジネス面での戦略立案についての記述があまりないことは残念に思いました。

著者も文中で指摘している通り、天才的な経営者である孫正義氏の唯一の弱点ともいえる、政治的な気配りに欠けることを著者が補完していたからこそ、政治面での記述が中心となったのでしょう。しかし、本書を手に取るほとんどの人は孫正義氏のビジョンがどのように生み出されているのかを知りたいというのが最大の動機でしょうから、本書の内容に不満を持つ人も多いと感じました。

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