マネーの支配者

マネーの支配者: 経済危機に立ち向かう中央銀行総裁たちの闘い (ハヤカワ・ノンフィクション)

レベル3 ★★★★

本書はFRBのバーナンキ、ECBのトリシェ、イングランド銀行のキングの3人の中央銀行総裁に焦点をあて、金融危機の渦中から中央銀行がどのような行動をとり、何とか危機を脱っすることができたのかという経緯が克明にまとめられています。リーマンショック以降の金融市場において、中央銀行の政策は企業業績以上に株価に影響を与えてきましたが、意外に中央銀行の意思決定がどのように行われてきたのかについては知られていません。総裁たちが局面局面において、どのような思いを持っており、何をよりどころに意思決定を下してきたのかを知ることは、中央銀行の振る舞いを今後予測していくことに役立ち、中央銀行の施策に大きく左右される金融市場のメカニズムを理解することにつながります。

本書の原題はThe Alchemists(錬金術師たち)で、量的緩和や財政政策への関与など金融危機前は中央銀行において禁じ手とされてきた手段も用いるようになった、現在の中央銀行総裁達の実態を皮肉も含めてよく表した秀逸なタイトルです。一応、中央銀行がそもそもうまれるきっかけとなった17世紀のスウェーデンから解説は始まりますが、本書の白眉はなんといっても金融危機以降の記述です。

中央銀行総裁達を対象とした本書の性格上、中央銀行が金融危機以降果たした役割が誇張されている傾向があると考えられますが、そうした面を割り引いたとしても、FRBのバーナンキ議長を中心として中央銀行のトップたちが果敢な策をとったことが、危機からわずか5年で主要国のかなりの国々で史上最高値を株価が更新するまでに、金融市場を回復させたことがよく分かります。

バーナンキ議長だけでなく、日本ではあまり動向が報じられなかったECBのトリシェやイングランド銀行のキングがどのような意思決定を行い、間違いもありながらなんとか欧州の金融市場と経済を軌道に戻してきたのかについての記述は、事後となった今でもハラハラさせられます。

本書の中心登場人物である3名は、すでに全員後進に道を譲っています。金融危機の記憶も薄くなりつつある今だからこそ、本書により金融危機とその後の金融政策の流れを理解しておくことの意味は大きいでしょう。現代社会において最大級のベールに包まれた中央銀行の実態に肉薄している名著です。

 

S&S investmentsのSNS フォローお願いします
HP:  https://ssinvestments.co.jp
FB :   https://www.facebook.com/ssinvest25
Twitter :   https://twitter.com/ssinvest25
note:   https://note.com/ssinvest
投資Blog :   https://ssinvest.jp/

マネーの支配者 はコメントを受け付けていません

仕事に効く教養としての「世界史」

仕事に効く 教養としての「世界史」

★★★

日本初のネット生命保険会社の会長を務める出口治明氏による世界史の入門書です。私は過去に彼の講演会に1度参加したことがあるのですが、教養あふれる内容と若者への優しいまなざしが印象的で本書を手に取りました。

タイトルに仕事に効くとありますが、大人として身につけておきたいリベラルアーツとしての歴史の流れがまとめられています。日本の学校であまり扱われない、中央アジアから中東、インドにかけての歴史や、日本の歴史上のイベントと世界史との関係性についてのトピックが、特に興味深かったです。

海外で仕事をしていて感じるのはその国の文化や成り立ちへの理解の大切さです。本書にも、シンガポールが大英帝国にとってどのような位置づけだったのか、アヘン戦争との関係で出てきますが、地政学上の要衝であることの優位性は時代に関係ないと再認識しました。

アジアが経済的に盛り返している21世紀だからこそ、欧米からの視点だけでなく多様な歴史的ストーリーを理解しておくことは、今後の世界経済の動向を占ううえでも非常に大切です。本書を著者が書いた理由として、負け戦を笑って受け止められる骨太の知性を持った若者がでてきてほしいからと書かれていますが、本書の内容はまさにその通りの、深い知識に裏付けられた重厚な歴史ストーリーが展開されています。

S&S investmentsのSNS フォローお願いします
HP:  https://ssinvestments.co.jp
FB :   https://www.facebook.com/ssinvest25
Twitter :   https://twitter.com/ssinvest25
note:   https://note.com/ssinvest
投資Blog :   https://ssinvest.jp/

仕事に効く教養としての「世界史」 はコメントを受け付けていません

第五の権力

第五の権力---Googleには見えている未来

★★★

グーグルの会長を務めたエリック・シュミットと、グーグルのシンクタンク”Google Ideas”のディレクターである政治学の俊才ジャレッド・コーエンの共著である本書は、邦題のサブタイトルに「Googleには見えている未来」とあるため、技術的な未来予測の本と思い手に取りました。

しかし、内容はインターネットの浸透による地政学的な影響が中心で、読む前の期待とはかなり異なりました。邦題の「第五の権力」とは、行政・司法・立法・メディアに加えてネットへのアクセスを持った個人が五番目の権力として浮上することからつけられています。国家や戦争・テロ・革命、アイデンティティにネットの浸透がどのような影響があるのかについて、緻密な論説が展開されています。

Google Glassなどのウェラブルコンピュータや自動運転車などの実用化されている、もしくは実用化が近い技術だけでなく、量子コンピュータや人工知能、寿命を延ばすバイオテクノロジー、火星探査など分野を問わずに数十年先の未来を見越した技術開発に取り組んでいるグーグルですが、ネットが社会に与える影響について人文学の見地からも様々な予測に取り組んでいることが本書からよくわかります。

ラリー・ペイジとサージェイ・ブリンという2人の若い創業者を補佐するためにグーグルのCEOを務めたエリック・シュミットが、技術ドリブンの創業者2人を補佐するために、人文学の分野にも造詣が深く、その想いが本書に込められているように感じました。

S&S investmentsのSNS フォローお願いします
HP:  https://ssinvestments.co.jp
FB :   https://www.facebook.com/ssinvest25
Twitter :   https://twitter.com/ssinvest25
note:   https://note.com/ssinvest
投資Blog :   https://ssinvest.jp/

第五の権力 はコメントを受け付けていません

ヘッジファンド

ヘッジファンド―投資家たちの野望と興亡〈1〉ヘッジファンド―投資家たちの野望と興亡〈2〉

レベル3 ★★★★★

ここまで、このブログで150冊以上の書評を書いてきましたが、3冊目となる★5つの最高評価です。米国の老舗シンクタンク「外交問題評議会」に所属する著者が3年にわたる綿密な取材で、その名は知られていても中々実態が見えないヘッジファンドの世界を解き明かしています。

ヘッジファンドという仕組みを作ったと言われるアルフレッド・ジョーンズから始まり、ヘッジファンドを主流の世界に押し上げた初期の大立者3人、ジョージ・ソロス、ジュリアン・ロバートソン、マイケル・スタインハート、クオンツの大物ジェームス・シモンズやデービッド・ショー、サブプライムで2兆円を稼いだジョン・ポールソン、若き業界の変革者ケネス・グリフィンなど、ヘッジファンド業界を代表する人物達の物語が章ごとに展開され、ヘッジファンドという産業が誕生からわずか50年ほどで、2兆ドル(約210兆円)の巨大産業にまで拡大してきた経緯が分かりやすく1つのストーリーにまとめられています。

上記の人物の中でジョージ・ソロスについてはこれまでも多くの著作に登場していますが、本書の記述は群を抜いて詳細で、部下のドラッケンミラーと共にポンド危機やアジア通貨危機、ITバブル崩壊でどのような取引を行い、とてつもない成功と共に大失敗もしてきたことがよく分かります。こうした大物たちの取引については大成功ばかりが喧伝されがちですが、本書には失敗談も数多く登場し、個人投資家としてはむしろ失敗から学べることの方が多いでしょう。

また、これまでほとんどメディアで取り上げられてこなかった、ジェームス・シモンズやデービッド・ショーの同じクオンツ投資家でも異なるスタイルなど、私達のような金融の世界に長くいる人間もうならされるマニアックな解説も多々あります。

著者の姿勢は明快で、サブプライム金融危機の時もヘッジファンドは救済されることなく淘汰されたにも拘わらず、巨大投資銀行や保険会社には多額の資金が各国政府から注入されたことからもわかるように、ヘッジファンド業界はモラルハザードがおきづらく、過度に規制する必要はないどころか将来の金融業界におけるプレゼンスはますます高まっていくだろうし、そうあるべきだとしています。

この結論に同意できるかはさておき、米国のノンフィクション業界の凄さを感じさせる素晴らしい著作ですからぜひ読んでみてください。本書の唯一の欠点は邦題で、原題は「More Money Than God (神様よりお金持ち)」という非常にスタイリッシュであるにもかかわらず、邦題に全くひねりがないのには、編集者にもう少し頭を使ってほしいと残念に感じました。

S&S investmentsのSNS フォローお願いします
HP:  https://ssinvestments.co.jp
FB :   https://www.facebook.com/ssinvest25
Twitter :   https://twitter.com/ssinvest25
note:   https://note.com/ssinvest
投資Blog :   https://ssinvest.jp/

ヘッジファンド はコメントを受け付けていません

決断力

決断力 (角川oneテーマ21)

★★★

史上最高の棋士とされる羽生善治さんの勝負に向かう時に意識している姿勢・思考スタイルを簡潔に解説した本書は、資産運用においても非常に参考となります。

将棋もPCを使えば過去の棋譜がいくらでも手に入るようになる中、それでも実戦に勝る学びの場はないという羽生さんの言葉はとても重く、かつ資産運用にもそのまま当てはまると思います。もちろん、過去の様々な事象を踏まえて局面ごとの戦略をあらかじめ練っておくことは大切ですが、それでも実戦において揺れる心の中、どこまでその戦略は実行できるのか、さらには実戦の集中の中、事前に考えた以上の戦略を編み出せるのかは、精神的な要素に掛っていて、この精神力がなければ適切な決断は望めないということが、繰り返し語られ、心に響いてきます。

最も印象的だったことは羽生さんがもはや勝つことにこだわっていないことです。勝つことより良い将棋を後世に残すために、得意な戦法にこだわらずどのようなスタイルの将棋でも指すという姿勢は、トップ棋士として中々できることではないですし、さらにはそれでも圧倒的な実績を残していることは凄味を感じさせます。

本書の中で、コンピュータがトップ棋士と互角に戦えるようになるのは早くて2010年、遅くて2050年と言及がありましたが、これについては昨年にA級棋士がコンピュータに敗れるという衝撃的なニュースが報じられました。しかし、本書を読んでそのことはあまり意味を持たないと感じました。そもそもコンピュータがここまで強くなったのもこれまでのプロ棋士たちによる膨大な勝負があってこそですし、そもそも限られた体力・精神力を限界まで研ぎ澄ませて対峙するトップ棋士の勝負の迫力はコンピュータ将棋には望めません。

傍観者として評論していても何にもならない厳しい世界の勝負師の言葉から、資産運用に参考となるポイントを導き出してください。

S&S investmentsのSNS フォローお願いします
HP:  https://ssinvestments.co.jp
FB :   https://www.facebook.com/ssinvest25
Twitter :   https://twitter.com/ssinvest25
note:   https://note.com/ssinvest
投資Blog :   https://ssinvest.jp/

決断力 はコメントを受け付けていません

アップル 驚異のエクスペリエンス

アップル 驚異のエクスペリエンス

★★★★

日本とシンガポールを行き来する生活の為に、日本で最近発売が始まったSIMフリーのiPhone5Sに先日機種変更をしました。銀座のアップルショップで購入したのですが、いつもながら素早く親切な対応に感動しました。

本書は、これまで「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼンテーション」、「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」というアップル本がどちらも世界的なベストセラーになったカーマイン・ガロ氏のアップル本の第3弾です。

アップルショップは一般的な小売店の10倍も、単位面積あたりの売上がありますが、その秘訣を利用者のコメントをもとに詳細に明かしてくれます。アップルの新製品が、iPodやiPhone、iPadも発売当初は売れないと批判を浴びたように、アップルショップの構想も評論家から酷評されました。しかし、アップルショップは大成功をおさめ、ニューヨークの5番街やセントラル駅の基幹店は、海外からも多くの顧客が殺到しています。

アップルショップの運営方法は全てが小売りの常識に反するものです。店員に販売ノルマはなく、店舗の設計も天井がとても高く、商品の陳列も何も置かれていない余白が非常にゆったりとしていて空間効率が悪いため、アップルショップがスタートした当初、評論家たちが巨額の赤字を出して閉店に追い込まれるとしたのも理解できます。

スティーブ・ジョブズはハードウェアだけでなく、小売り店舗でもイノベーションにより常識を覆しました。アップルショップの原動力はスタッフの質の高さにあります。アップル製品を購入しようとした人はもちろん、製品が故障して修理に向かった人も多くが笑顔で帰るアップルショップのサービスは、モチベーションが高いスタッフにより支えられています。

どのようにモチベーションを高く保っているのか、アップルショップのスタッフは売上でなく何を目標としているのか、そしてサービスで顧客を喜ばせる秘訣まで、具体的なポイントにまとめられているので、小売りビジネスに従事している人はもちろん、全ての職種のビジネスマンに参考となります。

アップルショップのモデルを設計する際に、ジョブズ達は他の競合小売り企業ではなく、フォーシーズンズやリッツカールトンといった高級ホテルやフェデックスなど、他の業種のサービスを参考にしました。私達も、アップルとは全く違った業種ですが、本書を参考にサービスのクオリティを高めていきたいと奮い立たされました。

S&S investmentsのSNS フォローお願いします
HP:  https://ssinvestments.co.jp
FB :   https://www.facebook.com/ssinvest25
Twitter :   https://twitter.com/ssinvest25
note:   https://note.com/ssinvest
投資Blog :   https://ssinvest.jp/

アップル 驚異のエクスペリエンス はコメントを受け付けていません

イーロン・マスクの野望

イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者

★★

最近、ネクスト・ジョブズは誰だという記事がよく書かれます。先週に紹介したジェフ・ベゾスもその候補ですが、最もネクスト・ジョブズとして取り上げられることが多いのは、本日ご紹介する本の主人公イーロン・マスクです。日本での知名度はベゾスに劣りますが、起業家としてのスケール感はベゾスに勝るとも劣りません。

イーロン・マスクは、南アフリカ出身で17歳の時に親戚のつてを頼ってカナダに移住し、その後米国の大学に通います。スタンフォード大学の物理学の博士課程に進学しますが、2日で退学し、兄弟とオンラインコンテンツの編集ソフトの会社を起業します。

この会社をコンパックに売却して資産を築いたマスクは、この資金を元にオンライン決済の会社を創業します。この会社は後に別会社と統合してペイパルとなり、オンラインオークションの世界最大手eBayに売却することで、マスクは大富豪となります。

起業家は大富豪となった後に、エンジェルとして後進のサポートに回る人が多いですが、マスクは以前から温めていた壮大なテーマの起業をします。1つが米国の高級車マーケットを席巻しつつある電気自動車メーカー「テスラ・モーター」で、もう1つは民間企業として初めて国際宇宙ステーションに資材を運ぶことに成功した「スペースX」です。

学生時代から、マスクは人類の永続性を高めるためにインターネット・再生可能エネルギー・宇宙の3つの分野で起業することを目標としていましたが、40歳そこそこで既に達成しました。このままいくと、21世紀で最大のインパクトを残す起業家になりそうなマスクですが、最近でも火星移住計画や音速を越える高効率な移動システムなど、とてつもない計画を続々と発表しています。

この刺激的な人物についてあまり知らない人にとっては、マスクのこれまでの歩みコンパクトにまとめられていて、クイックに読めるので本書はオススメです。ただ、本書は本人や周囲の人へのインタビューを行っておらず、これまでマスクについて書かれた記事をまとめているだけなので、既にマスクについて良く知っている人にとっては物足りない内容です。

いずれ、本人に肉薄した骨太な伝記が出版されることを期待したいと思います。

S&S investmentsのSNS フォローお願いします
HP:  https://ssinvestments.co.jp
FB :   https://www.facebook.com/ssinvest25
Twitter :   https://twitter.com/ssinvest25
note:   https://note.com/ssinvest
投資Blog :   https://ssinvest.jp/

イーロン・マスクの野望 はコメントを受け付けていません

ジェフ・ベゾス 果てなき野望

ジェフ・ベゾス 果てなき野望

★★★★

もはやこの会社がなくては日々の生活もままならないという人が日本にも多いアマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスの初めての公認伝記です。

私自身の生活にもアマゾンは欠かせません。書籍だけでなく、食品・飲料などの生活用品もほぼ全てアマゾンで購入していますし、最近ではiPad上のKindleアプリで本や漫画を読むようになったので、日常的な支出の過半はアマゾンを通じて購入しています。都心ですと、その日のうちに商品が届くことも多いですし、不在にしていたとしても宅配ボックスに商品をいれておいてもらえるので、帰宅時にまとめて受け取れます。

アマゾンは創業から20年未満で、世界最大のオンライン小売り企業となり、オンラインの世界だけでなくウォルマートなどリアルな店舗を持つ小売りチェーンも含めて、世界最大の時価総額となることも視野に入ってきます。

この急成長を成し遂げた最大の要因として創業者ジェフ・ベゾスの存在があることが本書を読むとよく分かります。他のIT企業の創業者と異なって、世界的なヘッジファンドDEショーのやり手社員として、金融業界のエリートであったベゾスですが、ありとあらゆるモノをネットにより購入できる「エブリシング・ストア」を夢見て、金融業界での高報酬と地位を捨ててアマゾンを創業します。

徹底したユーザー志向により、創業期の巨大な赤字やITバブル崩壊をしのぎ、最近では米国の都市部で生鮮食品の販売も始め、無人ヘリロボットによる30分以内の宅配計画も発表するなど、今や創業した時の夢であった「エブリシング・ストア」に近付きつつあります。

米国のメディアの中では、その壮大なビジョンとそれを具現化する手腕、そして容赦ない過酷なコミュニケーションスタイルから、ベゾスこそスティーブ・ジョブズを継ぐものだとする記事も増えてきています。

経営者という視点からも、稼いだ資金をほぼ全て成長の為の投資に回して、赤字すれすれを20年近く継続し、しかしそのスタイルが投資家からも評価され、高い時価総額を誇るというアマゾンのスタイルは特異で目を引きます。スティーブ・ジョブズのミスは、iPhoneを高収益のビジネスとしたことで競合を多く引き寄せてしまったことで、利益を出しておらず、しかも市場を支配する企業があれば誰も競合してこないベゾスの発言には、全てを飲み込もうとする貪欲さを感じ、恐怖すら覚えます。

この破壊的な企業アマゾンの行く末を占う上で必読の好著です。

S&S investmentsのSNS フォローお願いします
HP:  https://ssinvestments.co.jp
FB :   https://www.facebook.com/ssinvest25
Twitter :   https://twitter.com/ssinvest25
note:   https://note.com/ssinvest
投資Blog :   https://ssinvest.jp/

ジェフ・ベゾス 果てなき野望 はコメントを受け付けていません

アップル vs グーグル

アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか

★★★

副題に「どちらが世界を支配するのか」という非常に刺激的なタイトルがついていますが、中身は丹念な取材に基づいた良質なノンフィクションです。

世界最大の時価総額を誇るアップルと、そのアップルのiPhone/iPadの牙城に対して、オープンOS「アンドロイド」により攻め込んでいるグーグルという、スマートモバイル端末の雄2社の動向について詳細にまとめられています。

約20億台と全ての電化製品の中で桁違いの出荷数を誇る携帯電話は、グローバルでそのほとんどがスマートフォンに置き換えられつつありますが、両社はこの市場で激しく競合しています。そして、今やPCをしのぐ出荷台数となったタブレット端末においても、iPadの圧倒的な優位が徐々にグーグルにより崩されつつあります。

スティーブ・ジョブズがiPhone/iPadをどのように生み出したのかは、その歴史的なプレゼンを含めて多くの人々に認知されていますが、今やiPhoneを押しのけて全スマートフォンの80%を占めるまでになったグーグルのスマートフォンOS「アンドロイド」の開発の経緯はあまり知られていません。本書では、アンドロイドの父であるアンディ・ルービンを中心として多くのグーグル社員へのインタビューにより、検索エンジンが主力であったグーグルがいかにスマートフォン市場に事業を拡大してきたのかを明らかにしています。グーグルの敵方として描かれるスティーブ・ジョブズの強烈さも含めて、世界で最も規模が大きく、収益性が高いスマートフォン市場で両社がどのような思惑を持って戦ってきたのか、迫力あるビジネスストーリーに興奮させられます。

本書はまだiPadが優位性を保ちながらも、スマートフォン市場ではiPhoneの牙城が崩れつつあるという場面で終わりますが、その後は上記のようにアンドロイドOS端末がスマートフォン市場を席巻し、タブレットにおいてもアンドロイドOSの存在感は高まるばかりです。

さらには、そのアンドロイドOSの父であるアンディ・ルービンはロボット開発という新たな市場に転じています。IT業界、特にスマートモバイル市場の変化の速さには驚くばかりですが、その黎明期から成熟期までの流れを俯瞰するには格好の書籍です。

 

S&S investmentsのSNS フォローお願いします
HP:  https://ssinvestments.co.jp
FB :   https://www.facebook.com/ssinvest25
Twitter :   https://twitter.com/ssinvest25
note:   https://note.com/ssinvest
投資Blog :   https://ssinvest.jp/

アップル vs グーグル はコメントを受け付けていません

グローバル・スーパーリッチ: 超格差の時代

★★★

日本語版でも副題に「超格差の時代」とありますが、英語の原題は”Plutocrat (財閥、金権政治家)”と少しネガティブな表現が使われています。

本書はまず前半で、様々な定量的なデータから米国を中心として世界中で格差が拡大し、上位1%(特に上位1%のさらに上位1%)に、富や権力が集中してきており、その水準は歴史上に類を見ないレベルに達していることが描かれています。そして、後半ではそうした集中のメリット・デメリットがどのようなものか議論が進んでいきます。

日本でこのテーマを扱われるときは、そのほとんどがとてもネガティブなものとなっていますが、本書では、新興国で多くの人が貧困から抜け出し、世界のどこでも大きな成功を収めることが可能になっているなど、グローバル化・富の集中のプラスの面も書かれています。また、世界のトップに人気が集中するスーパースター現象など、格差が拡大する構造的要因についても言及されています。

ただ、このようなメリットを踏まえても、あまりに格差が拡大しすぎ、富の一極集中は社会の不安定化もまねく可能性があるという論旨が展開されています。ヒト・モノ・カネが国境を越えて自由に動く時代に、どの程度の再分配が妥当で、どのように再分配を行うのか考えさせられます。

S&S investmentsのSNS フォローお願いします
HP:  https://ssinvestments.co.jp
FB :   https://www.facebook.com/ssinvest25
Twitter :   https://twitter.com/ssinvest25
note:   https://note.com/ssinvest
投資Blog :   https://ssinvest.jp/

コメントを受け付けていません

熔ける

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録

★★

カジノでの損失補てんに、経営する会社から100億円以上の巨額資金を流用したことで、世間を騒がせた大王製紙の3代目である井川会長の回顧録です。カジノで負けたエピソードだけではなく、生い立ちからビジネスマンとしてのキャリア、プライベートでの生活ぶりにまで言及されています。

文体が淡々としていることで、逆になぜこのような冷静沈着そうな人物がカジノにはまり、巨額の損失を積み上げたのかという思いをよびおこします。ただ、本書はどこか他人事のような描写が多く、心に訴えてくるものが乏しい点は残念に感じました。偉大な祖父、父親への思いなどについて、書きづらかったのかもしれませんが、ホリエモンが著書「ゼロ」で親族に対する複雑な感情も含めて赤裸々に吐露したのと対照的に感じました。

文中に度々、「このような不祥事を起こした自分にはその資格がない」と書きながらも、自分が退陣した後の大王製紙の現経営陣への評価や、スキャンダルを報じたメディアへの批判が展開されていることも後味を悪くさせています。

私達は仕事柄、富裕層の方と接することが多いですが、裕福な家庭だからこそいかに子供を環境に甘えさせず独立した精神を養うことが難しいのか、感じることがあります。残念ながら本書を読んでも、著者の甘えが目につくことから、この思いをより一層強く感じました。

S&S investmentsのSNS フォローお願いします
HP:  https://ssinvestments.co.jp
FB :   https://www.facebook.com/ssinvest25
Twitter :   https://twitter.com/ssinvest25
note:   https://note.com/ssinvest
投資Blog :   https://ssinvest.jp/

熔ける はコメントを受け付けていません

AERA 2013年11月11日号

AERA 2013年11月11日号

2020年 変わる日本と私に掲載されております

satoshi2

 

S&S investmentsのSNS フォローお願いします
HP:  https://ssinvestments.co.jp
FB :   https://www.facebook.com/ssinvest25
Twitter :   https://twitter.com/ssinvest25
note:   https://note.com/ssinvest
投資Blog :   https://ssinvest.jp/

AERA 2013年11月11日号 はコメントを受け付けていません